【気ままな記事】東京ディズニーリゾート・トイ・ストーリーホテルの外壁はなぜ部分的に着色しないの?理由をちょっと調べてみました!



2022年4月5日に東京ディズニーリゾート・トイ・ストーリーホテル(以下「トイ・ストーリーホテル」という。)がオープンしました。
テレビ放送やディズニー系Youtuberの紹介で、すでにご覧になった方も多いと思います。

外観はブロックを積み上げたようなデザインでとてもかわいいのですが、部分的に違和感を覚えた方もいらっしゃるのではないでしょうか。

あれ?色塗らないの?と思ったのは私だけではないと思います。

なぜこのような外観になったのか、ちょっと考えてみました。

所在地

トイ・ストーリーホテルの所在地は「千葉県浦安市舞浜1番地8」で、2005年に閉館したコンサートホール「東京ベイNKホール」の跡地となっています。
©Google Google mapストリートビューより

こんな建物があったんだね!

周辺には東京ディズニーリゾートオフィシャルホテルが建ち並び、道路、ホテル敷地内は植栽が多く質の高い街並みになっています。

街並みを守るための法律、景観法って何?

外観について調べると、「景観法」っていう法律が出てきました。

景観法ってなあに?

平成17年に公布され、翌年から施行された法律です。
目的は以下の通りです。

景観法第1条
「この法律は、日本の都市、農山漁村等における良好な景観の形成を促進するため、景観計画の策定その他の施策を総合的に講ずることにより、美しく風格のある国土の形成、潤いのある豊かな生活環境創造及び個性的で活力ある地域社会実現を図り、もって国民生活の向上並びに国民経済及び地域社会の健全な発展に寄与することを目的とする」

簡単に言うと、京都のような古い街並みを守ったり、これからできる街並みに統一感を持たせたりと、その地域にあった街並みを守るっていうことかな?

景観法では、全国一律の基準等は定められてはいません。それぞれの町にあった基準を定めることができることや、基準を定めるための手続き、届出義務など、大枠を定めているといった感じです。

浦安市景観条例、浦安市景観計画

景観法に基づき、平成20年に浦安市の景観の形成を推進するため定められたのが浦安市景観条例(以下「条例」という。)です。

条例第1条

この条例は、良好な景観の形成について、基本理念を定め、市、事業者及び市民の責務等を明らかにし、景観法(平成16年法律第110号。以下「法」という。)の施行に関し必要な事項を定めるとともに、良好な景観の形成を推進するための施策を講ずることにより、各主体による景観まちづくりを推
進し、潤いのある豊かな生活環境の創造及び個性的で活力ある地域社会の実現を図り、もって本市の健全な発展に寄与するとともに、良好な景観を次世代に継承することを目的とする。

この条例に基づき、「浦安市景観計画」というものを定め、まちづくりの基本方針、基準、景観上重要な建物(景観重要建造物っていうらしい)、色彩の考え方などいろいろ定められています。
一定規模以上の建物を建てたりする場合は、条例に基づき事前に浦安市と協議したり、届け出を出さなければならないようです。

景観計画の中で、浦安市を5つのエリアに分け、元町地域、中町地域、新町地域、工業ゾーン、アーバンリゾートゾーンに分けており、東京ディズニーリゾート周辺は「アーバンリゾートゾーン」として位置づけられています。
詳しく知りたい方はこちらから(外部リンク)

アーバンリゾートゾーンの方針

アーバンリゾートゾーン」の目標は「世界に誇れるアーバンリゾートゾーンにふさわしいディズニーテーマパークを中心とした夢を感じる景観を目指しましょう」

となっています。そして街づくりの方針は以下の通りです。

①個性的な建築群と公共施設などの調和により、リゾート地としての景観を維持向上する

②建築物の個性をいかし、周囲に圧迫感を与えないように、建築物や外構空間などのデザインに配慮した景観を形成する

③水と緑をいかした豊かな景観を形成する

④市民も遊びに来た人も歩きたくなる景観をつくる

①の景観まちづくり活動という項目の中に「建築物などの形態・デザイン・色彩のあり方、屋外広告物の掲出の方法など、周辺からの見え方に配慮する」となっています。

また、細かい基準の中に「外観のアクセントとして用いる色彩は、各面のの1/10未満とし、できるだけ低層部に集約する。」とあります。

なんとなく着色しなかった理由がわかってきた感じがする!

色については「マンセル表色系」というものが使用され、色相(色合いを表す数値)、明度(明るさを表す数値)、彩度(色の鮮やかさを表す数値)の3つの数値で色を表します。
専門的でよくわからないので、気になる方は下記参考ファイルから見てみてください。

色彩基準の参考資料はこちらから「浦安市景観計画 色彩基準の考え方」(外部リンク)より

勝手な考察

ここからは個人的な考察ですので、予めご了承ください。

1.ディズニーリゾートライン・ベイサイドステーション側は東京ディズニーリゾート内の景観という考え方で、特に色彩についての制限はない。むしろ、カラフルにすることによって夢を感じる景観とした。

2.海側道路側の景観は周辺のホテルとの調和を考え、カラフルにする部分を抑えた。

3.葛西臨海公園、東京ベイブリッジから見る東京ディズニーリゾートの景観に配慮し、カラフルな部分を抑えた。

落ち着いた雰囲気になってます。後ろを振り返ると東京ベイブリッジが見えます。

4.海側道路正面側は、周辺敷地から見ることができないので、色の配慮は特にしていない。

5.ホテルオオクラ東京ベイ側は、道路から見える範囲はカラフルな色を抑えた。

リゾート地の景観を守り、落ち着いた景観になっています。

以上となります。
これは私の勝手な考察ですが、少しでも同意していただけたら嬉しいです。

今回も最後までお付き合いいただきありがとうございました。