2018年8月19日に地上波初放送される実写版映画『君の膵臓をたべたい』をひと足先に、WOWOWで見てみました。
今更ですか?っていう感はありますが・・・
今放送されるのは、2018年9月1日にアニメ版が公開されるためだと思います。
私は、タイトルだけ聞いたことがある程度で、原作も読んだことがありませんでした。
タイトルだけを見ると、ちょっとオカルト的な感じがして敬遠していました。
しかし、その内容に心を打たれて、久々に映画を見て号泣しました(;_;)
「映画を見てちょっと泣きたいなぁ」って思っている方に見ていただきたい作品です。
この映画を見るときは、原作を読まずに見ることをお勧めします。
予備知識がない方が、ストーリーに引き込まれると思います。
予告編だけ紹介しておきます。
動画共有サイトYoutube「東宝チャンネル」から
目次
実写版『君の膵臓をたべたい』
「キミスイ」の略称で知られている、作家住野よるさんのデビュー作「君の膵臓をたべたい」を実写化したものです。
原作は関連書籍の累計発行部数が260万部を突破し、実写版の興行収入が35億円で、2017年の興行収入ランキング15位と大ヒットした作品です。
あらすじ
高校時代のクラスメイト山内桜良の一言で教師になり、母校に赴任している「僕」の話からストーリーは始まります。
教師になったことに疑問を持ち「退職願」を出す事も考えていた頃、母校の図書館を解体することが決まります。
「僕」は、高校時代に図書委員をやっていたことから図書館の書籍整理を任されます。
書籍整理をしながら生徒の図書委員と会話をしていく中で、山内桜良との数か月間の出来事を思い出していきます。
高校時代のあらすじ
「君の膵臓をたべたい」…主人公である「僕」が病院で偶然拾った1冊の「共病文庫」というタイトルの文庫本。
それは「僕」のクラスメイトである山内桜良 (やまうち さくら) が綴っていた、秘密の日記帳であり、彼女の余命が膵臓の病気により、もう長くはないことが記されていた。
「僕」はその本の中身を興味本位で覗いたことにより、身内以外で唯一桜の病気を知る人物となる。
「山内桜良の死ぬ前にやりたいこと」に付き合うことにより、「僕」、桜良という正反対の性格の2人が、互いに自分の欠けている部分を持っているそれぞれに憧れを持ち、次第に心を通わせていきながら成長していく。そして「僕」は「人を認める人間に、人を愛する人間になること」を決意。桜良は恋人や友人を必要としない僕が初めて関わり合いを持ちたい人に選んでくれたことにより「初めて私自身として必要とされている、初めて私が、たった一人の私であると思えた」と感じていく。
ウィキペディア フリー百科事典より引用
登場人物の少なさが、独特の世界観へ引き込む
主要な登場人物はとても少ないです。
それが、見る者を映画の世界観に引き込む要因になっていると思います。
「僕」(志賀 春樹)
友達が少なく、いつも本を読んでいる目立たない高校生。
高校時代の「僕」
母校の教師になった「僕」
©2017「君の膵臓をたべたい」製作委員会 ©住野よる/双葉社
「山内 桜良」
重い膵臓の病気を患っているが、いつも明るくクラスの人気者。
©2017「君の膵臓をたべたい」製作委員会 ©住野よる/双葉社
「恭子」
山内桜良の親友。僕と山内桜良の仲を快く思っていない。
高校時代の「恭子」(左側)
現在の「恭子」
©2017「君の膵臓をたべたい」製作委員会 ©住野よる/双葉社
この作品を見た感想など
この作品は、ただの青春ラブストーリーではない
相手を思う気持ちが、互いの会話から読み取ることができますが、直接的な言葉を決して言いません。
お互いに「君の膵臓をたべたい」という言葉を相手に伝えていることから(※映画では「僕」がメールで送信した「君の膵臓をたべたい」というメッセージを桜良が読んだのか、わかりませんが・・・)、両思いであることがわかります。
なぜ「君の膵臓をたべたい」という一風変わった言葉が相手を思う気持ちと言えるのかは、映画を見るとわかります。
直接的な言葉を使わないため、もどかしさを感じる所もありますが、それがこの映画の良さでもあると思います。
サン=テグジュペリ作「星の王子さま」と映画のつながり
冒頭、母校の教師になった「僕」が授業中、「星の王子さま」の一節を用いています。
「かんじんなことは、目に見えない」
「『仲良くして悲しませるぐらいなら、仲良くならない方が良かった』と嘆く星の王子さまに、キツネが説いた言葉です。」と生徒に話しています。
高校時代の「僕」は、桜良から「星の王子さま」を借ります。
12年後の桜良からの遺言も、解体予定の図書館に保管されていた「星の王子さま」から出てきます。
「星の王子さま」の内容は抽象的で、解釈が難しい本ではありますが、桜良から「僕」へのメッセージ、そして、桜良にとって残り少ない人生をどう生きるかについて教えられた本なのかもしれません。
本当に大切なことは、心の目でしか見ることができないということ。
そして誰かと心を通わせ、その人が自分にとって、他の人とは違うかけがえのない存在になってゆくことの素晴らしさ、そういう関係を築くことこそが人生の大きな意味なのだということが、本作と「星の王子さま」との共通したテーマなのだと思います。
「共病文庫」を読んだ「僕」の悲しみ
ただ一人、桜良の闘病生活を綴った「共病文庫」を読むことを許されていた「僕」。
桜良の葬儀に出ることができず、一か月間家に引きこもっていた「僕」。
やっと桜良に別れを告げる覚悟ができた「僕」が桜良の実家を訪れ、母親から渡された「共病文庫」を読み終わった後のシーンにやられました・・・・
「本当にありがとう、あの子はあなたのおかげで、しっかり生きることができた。」と母親に声をかけられた後・・・・
「もう泣いてもいいですか?」
って、もう泣いてるし・・・・・・・
素晴らしい演技につられて、号泣してしまいました・・・・・
桜良の死後、現実と向き合うことが全くできなくなっていた「僕」が、ようやく彼女の死を悲しみの涙として昇華し、ほんの少しだけ前に進むことができるきっかけとなった、とても大事なシーンでした。
桜良が死んで12年、やっと桜良の願いが叶う
桜良は、「僕」と親友の「恭子」に仲良くなってほしいと願っていましたが、生きている間に願いは叶いませんでした。
桜良が死んで12年、「僕」が桜良からの遺言を発見します。
遺言は、「僕」宛と「恭子」宛の物があり、「僕」は「恭子」宛の遺言を渡しに行きます。
「恭子」宛の遺言を渡すタイミングが、「僕」らしいといえば、「僕」らしいですが、そのタイミングで渡すか?と突っ込みたくなるシーンです(笑)
悲しいストーリーの中、「僕」と「恭子」は友達になり、桜良の願いが叶うちょっと気持ちが和らぐシーンです。
アニメ版「君の膵臓をたべたい」公開!
2018年9月1日に劇場アニメ版「君の膵臓をたべたい」が公開される予定です。
予告編第1報
予告編第2報
予告編第3報
原作や実写版映画と比べて、どのような共通点、変更点があるのか!?とても楽しみです。
今回も最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。